黒ではなく、褐色のエール。

バーのカウンターに置かれた、赤褐色のビールが入ったパイントグラス写真:Scottb211 / CC BY 2.0(トリミング)
スタイルを知る。 · STYLE 10

ゆかりの地 イギリス・アメリカ

黒ではなく、
褐色のエール。

ブラウンエールというスタイルの話。

米国アリゾナ州プレスコットで撮影された、ナットブラウンエールの一杯(2016年6月)。
STYLE / PLACE / GLASS

ポーターの焙煎の手前で、
とどまる麦芽の味。

イギリスとアメリカで違う顔を持つ、
褐色のエールです。
01どんなスタイルか

カラメルやナッツ、
やさしい麦芽。

BJCPの2021年版ガイドラインは、ブリティッシュブラウンエールを「麦芽とカラメルの風味がある、ポーターのような焙煎の風味を持たない茶色のイギリスのエール」と説明しています。バランスがよく風味豊かで、イギリスの平均的なビールより少し強いことが多いそうです。

アメリカンブラウンエールは、「麦芽の風味がありながらホップも効いた、標準的な強さのアメリカのエールで、チョコレートやカラメルの風味を持つことが多い」とされ、ホップの香りは麦芽とぶつからず、麦芽を引き立てるものと説明されています。

BJCPのブリティッシュブラウンエールの説明を読む(英語) ↗
旅のメモ

同じ褐色でも、
国によって違う顔。

02生まれた土地

同じ名前でも、
昔と今は別のもの。

BJCPによると、ブラウンエールという名前はイギリスで長い歴史を持ちますが、その名前の製品は時代によって違いました。今のブラウンエールは20世紀に生まれたもので、同じ名前の歴史的な製品と同じではないと説明されています。

アメリカンブラウンエールについては、今の市販品の多くは、ホームブルーイングの初期に造られていた、よりホップが効いて強いものほど攻めた造りではないと書かれています。表紙は、アリゾナ州プレスコットで撮影されたナットブラウンエールの一杯です。

03味わいの傾向

イギリスは甘やか、
アメリカはホップも。

BJCPは、ブリティッシュブラウンエールに、やさしい麦芽の甘みとカラメル、ナッツやトースト、ビスケット、トフィー、軽いチョコレートのような風味があり、苦味は中程度より少し下から中程度としています。強い焙煎の風味はどのタイプにもないそうです。

アメリカンブラウンエールは、チョコレートやカラメル、ナッツ、トーストのような麦芽の風味に中程度からやや高めの苦味が合わさり、柑橘や果実のようなホップの風味を持つこともあるとされます。ただし、これはスタイルの一般的な傾向です。「ブラウンエールだから必ずこうなる」とは言えません。

04造りで変わるところ

ナッツのような風味は、
麦芽から。

BJCPは、ブリティッシュブラウンエールの色とナッツのような個性を出すために、少量の濃色麦芽(チョコレートモルトなど)を使うこともあるとしています。より甘くアルコールの低い「ロンドン・ブラウンエール」は、同じ一族ではあるものの、バランスとアルコールの強さが大きく違うため、別の審査スタイルとして扱っているそうです。

BAのガイドラインでも、イングリッシュ・スタイルとアメリカン・スタイルは別々に載っていて、ホップの苦味の目安が大きく違います。スタンプでは、スタイル欄の「English Brown Ale」「American Brown Ale」も入門カードの「ブラウンエール」として数えます。

05 / 次の一杯で

ブラウンエール

苦味の数字を、見てみる

次の一杯で、注目すると面白いこと。

12–25IBU(BA・イングリッシュ)
30–45IBU(BA・アメリカン)

BAの2026年版ガイドラインでは、イングリッシュ・スタイル・ブラウンエールのアルコール分を4.2〜6.0%、苦味の目安であるIBUを12〜25、アメリカン・スタイル・ブラウンエールを4.2〜6.3%、IBUを30〜45としています。ラベルの産地やホップの表示を見て、どちらの顔に近いか想像してから飲んでみてください。

BAのビアスタイル・ガイドラインを見る(英語・PDF) ↗
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