ケルンの、細いグラスで。

石畳の広場に面して並ぶ建物と、店先の赤いパラソル写真:Raimond Spekking / CC BY-SA 4.0(トリミング)
スタイルを知る。 · STYLE 12

ゆかりの地 ドイツ・ケルン

ケルンの、
細いグラスで。

ケルシュというスタイルの話。

ドイツ・ケルン、ブラウハウス・フリューの建物が並ぶアム・ホーフ(2009年8月)。
STYLE / PLACE / GLASS

上面発酵なのに、
ラガーのように澄んだ。

ケルンの醸造所がその名を守る、
繊細なビールです。
01どんなスタイルか

澄んだ淡色と、
やわらかな後味。

BJCPの2021年版ガイドラインは、ケルシュを「控えめで、きわめて澄んだ淡色のビール。麦芽、果実、ホップの繊細なバランスと中程度の苦味、しっかり発酵しながらもやわらかな後味を持つ」と説明しています。繊細な個性は時間とともに失われやすく、鮮度が大きな違いを生むそうです。

同じガイドラインは、ケルシュをドイツ・ケルン(Köln)の伝統的な上面発酵で、低温で熟成させるビールとしています。

BJCPのケルシュの説明を読む(英語) ↗
旅のメモ

長く置かずに、
新鮮なうちに。

02生まれた土地

淡色のラガーに対抗して、
1800年代後半に。

BJCPによると、ケルンには中世から上面発酵の醸造の伝統がありましたが、今ケルシュとして知られるビールは、淡色のラガーに対抗するものとして1800年代後半に生まれました。ケルンでは、実は下面発酵が禁止されていたそうです。

ケルシュは1986年のケルシュ・コンヴェンツィオン(ケルシュ協定)で守られた名称で、ケルンとその周辺の醸造所に限られています。協定はこのビールを「淡く、発酵度が高く、ホップが際立ち、澄んだ、上面発酵のフルビア」と定めていると紹介されています。表紙は、ケルンのブラウハウス・フリューです。

03味わいの傾向

りんごや洋梨が、
かすかに香る。

BJCPは、穀物のような甘い麦芽の香りは低めからごく低めで、りんごや洋梨、ときにさくらんぼのような果実の香りは必須ではないものの歓迎されるとしています。苦味は中程度より少し下から中程度で、後味はやわらかくドライで、わずかにキレがあり、鋭くはないそうです。

ただし、これはスタイルの一般的な傾向です。BJCPは、ケルンの醸造所どうしはバランスの違いで個性を出していると書いています。「ケルシュだから必ずこうなる」とは言えません。

04造りで変わるところ

エールの温度で発酵し、
冷たく熟成。

BAの2026年版ガイドラインは、ケルシュ・スタイルのビールを、ラガーより高く、多くのイングランドやベルギーのエールより低い温度で発酵させ、冷たく熟成させるとしています。発酵にはエール酵母を使い、瓶内熟成や最後の低温熟成にラガー酵母を使うこともあるそうです。

BJCPは、今の商業的な造り方では15°C前後で発酵させ、0°C近くで最長1か月ほど低温で熟成させ、新鮮なうちに出すと説明しています。控えめなジャーマン・ピルスと間違われることもあるそうです。

05 / 次の一杯で

ケルシュ

グラスと数字を、見てみる

次の一杯で、注目すると面白いこと。

4.8–5.3%アルコール分(BA)
22–30IBU(BA)

BAの2026年版ガイドラインでは、ジャーマン・スタイル・ケルシュのアルコール分を4.8〜5.3%、苦味の目安であるIBUを22〜30としています。BJCPによると、ケルンでは「シュタンゲ」と呼ばれる背が高く細い20clのグラスで出されるそうです。繊細な香りは時間とともに失われやすいので、手に入れたら長く置かずに味わってみてください。

BAのビアスタイル・ガイドラインを見る(英語・PDF) ↗
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