18世紀のロンドンで、
生まれた黒褐色のエール。
戻ってきたスタイルです。
焦げない焙煎と、
チョコレートの香り。
BJCPの2021年版ガイドラインは、イングリッシュポーターを「中程度の強さの濃い茶色のイングランドのエールで、焙煎の香ばしさと苦味は控えめ」と説明しています。焦げたような質のない、さまざまな焙煎の風味があり、チョコレートやカラメルのような麦芽の風味を持つことが多いそうです。
イギリスでは単に「ポーター」と呼ばれ、ガイドラインでは派生したほかのポーターと区別するために「イングリッシュポーター」という名前を使っている、とも書かれています。
BJCPのイングリッシュポーターの説明を読む(英語) ↗茶色と黒のあいだに、
長い歴史がある。
ロンドンで広まり、
一度は消えた。
BJCPによると、ポーターは1700年代初めのロンドンで、当時人気だったブラウンビアをよりホップを効かせて熟成させたものとして生まれました。1817年のブラックモルトの発明や、大規模な工業的醸造などによって何度も姿を変え、1800年代初めには人気の輸出品になります。
その後、1870年代までに比重が低く熟成しないビールへと変わって人気が衰え、1950年代にはイギリスで造られなくなりました。クラフトビールの時代になって、1978年に再び登場したと紹介されています。名前は、当時ロンドンで荷物を運ぶ仕事をしていた労働者に人気だったことに由来すると言われています。
パンやビスケット、
カラメルやナッツ。
BJCPは、パンやビスケット、トーストのような麦芽の風味に、穏やかなチョコレートのような焙煎の香ばしさ、そしてカラメルやナッツ、トフィーのような風味が重なることが多いとしています。焦げた感じや刺すような焙煎の風味はあってはならず、苦味は中程度より少し下から中程度。後味はドライ寄りから少し甘いものまであるそうです。
ただし、これはスタイルの一般的な傾向です。同じポーターでも国や造り手によって、苦味や焙煎の強さはかなり違います。「ポーターだから必ずこうなる」とは言えません。
イングランド、
アメリカ、バルト海。
BJCPは、アメリカンポーターを1974年にクラフトビールの時代に登場した、より強く攻めたポーターとし、イングリッシュポーターより苦味が強く、濃色麦芽の個性とドライさがあることが多いとしています。ロバストポーターと呼ばれることもあるそうです。
BAのガイドラインには、ラガー酵母で低温で発酵・熟成させる「バルティック・スタイル・ポーター」も載っています。スタウトとの違いについてBJCPは、アイリッシュスタウトはイングリッシュポーター(茶色)より色が濃い(黒)と比べています。スタンプでは、スタイル欄の「Robust Porter」「Baltic Porter」「English Porter」も入門カードの「ポーター」として数えます。
ポーター
色と数字を、見てみる
次の一杯で、注目すると面白いこと。
BAの2026年版ガイドラインでは、ブラウンポーターのアルコール分を4.4〜6.0%、苦味の目安であるIBUを20〜30、ロバストポーターを5.1〜6.6%、IBUを25〜40としています。グラスを光にかざして、茶色に見えるか黒に見えるかを確かめてから、焙煎の香りの強さを比べてみてください。
BAのビアスタイル・ガイドラインを見る(英語・PDF) ↗