働く人のために、軽く造られた。

れんが造りの建物に囲まれた、石畳の中庭写真:Thibaut Maes / CC BY-SA 4.0(トリミング)
スタイルを知る。 · STYLE 05

ゆかりの地 ベルギー・ワロン地方

働く人のために、
軽く造られた。

セゾンというスタイルの話。

ベルギー、ブラッスリー・デュポンの中庭(2015年3月)。
STYLE / PLACE / GLASS

畑で働く人の、
体に負担をかけない酒。

ベルギーの農村から生まれたと語られる、
酵母が香るエールです。
01どんなスタイルか

とてもドライで、
泡の多いエール。

BJCPの2021年版ガイドラインは、セゾンを「爽やかで発酵度が高く、ホップが効いてかなり苦い、ベルギーのエールの一族」と説明しています。後味はとてもドライで炭酸が強く、果実やスパイスのような発酵の香りと、穀物や時にはスパイスを使った複雑さが特徴。強さや色の違ういくつかの種類があるとされています。

アメリカではファームハウスエールと呼ばれることが多いものの、ヨーロッパではこの呼び方は一般的ではない、とも書かれています。

BJCPのセゾンの説明を読む(英語) ↗
旅のメモ

同じ名前でも、
強さはいくつもある。

02生まれた土地

フランス語圏の、
ワロン地方で。

BJCPによると、セゾンはベルギーのフランス語圏であるワロン地方のプロビジョン・エール(備えのためのエール)でした。もとは農場や畑で働く人の体に負担をかけないよう、アルコールの低いものとして造られていましたが、酒場向けの強さのものもあったといいます。

今もっともよく知られるセゾン・デュポンは1920年代に初めて造られ、デュポンのより強いセゾンは1954年、茶色のものは1980年代半ばに登場しました。素朴なイメージは残っていますが、今は大きな醸造所で造られることがほとんどだそうです。表紙は、そのブラッスリー・デュポンの中庭です。

03味わいの傾向

黒こしょうのような、
スパイスの香り。

BJCPは、果実のような香りを柑橘、りんごや洋梨の仲間、核果にたとえ、スパイスの香りはクローブではなく黒こしょうに近いことが多いとしています。発酵度がとても高いので、甘さや重さは残らず、苦くスパイシーな後味になるそうです。IBUの数字から想像するより苦く感じることがある、とも書かれています。

ただし、これはスタイルの一般的な傾向です。BJCPは、酵母の選び方で果実とスパイスのバランスは大きく変わり、幅広い解釈を認めるべきだとしています。「セゾンだから必ずこうなる」とは言えません。

04造りで変わるところ

テーブルから、
スーパーまで。

BJCPは強さを3つに分け、アルコール分3.5〜5.0%のテーブル、5.0〜7.0%のスタンダード、7.0〜9.5%のスーパーを挙げています。色にも淡色と濃色があり、強さと色には相関がないそうです。小麦、オーツ麦、スペルト小麦、ライ麦などの穀物を使うことがあり、スパイスやハーブは一般的ではないものの、主張しすぎなければ認められています。

野生酵母ブレタノマイセスの扱いは、ガイドラインによって違います。BJCPはこのスタイルでは一般的ではないとし、BAはより伝統的なものにはブレタノマイセス由来の香りがあってもよいとしています。スタンプでは、ラベルの「ファームハウスエール」も入門カードの「セゾン」として数えます。

05 / 次の一杯で

セゾン

強さと香りを、見てみる

次の一杯で、注目すると面白いこと。

4.5–6.5%アルコール分(BA)
20–38IBU(BA)

BAの2026年版ガイドラインでは、クラシック・フレンチ&ベルジャン・スタイル・セゾンのアルコール分を4.5〜6.5%、苦味の目安であるIBUを20〜38としています。瓶内で二次発酵させることが多く、それによって酵母の個性と強い炭酸が加わると説明されています。ラベルのアルコール分を見て、テーブル・スタンダード・スーパーのどのあたりかを考えてから飲んでみるのも楽しみ方のひとつです。

BAのビアスタイル・ガイドラインを見る(英語・PDF) ↗
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