ゆかりの地 ドイツ・バイエルン
小麦が半分以上、
泡の立つビール。
ヴァイツェンというスタイルの話。
バナナとクローブは、
酵母が生む香り。
今の一杯になるまでをたどります。
小麦を使った、
ドイツのエール。
BJCPの2021年版ガイドラインは、ヴァイスビアを「淡い色で爽やか、ホップは控えめなドイツの小麦のビール。炭酸が強く、後味はドライで、ふんわりとした口当たりと、バナナとクローブのようなヴァイツェン酵母の発酵の香りが特徴」と説明しています。バイエルンの外では、ヘーフェヴァイツェンやヴァイツェンビアとも呼ばれるそうです。
アメリカのBrewers Association(BA)の2026年版ガイドラインは、南ドイツ・スタイルのヘーフェヴァイツェンを、麦芽化した小麦を50%以上使い、炭酸がとても強いビールとしています。
BJCPのヴァイスビアの説明を読む(英語) ↗注ぐ前に、
瓶の底をのぞいてみる。
王家の独占から、
町の一杯へ。
BJCPによると、バイエルンには1500年代より前から小麦のビールの伝統がありましたが、小麦のビールを造る権利はバイエルンの王家が独占していました。その権利は1700年代後半まで王家のものだったとされ、昔のバイエルンの小麦のビールは、当時のほかのビールと同じように濃い色のものが多かったといいます。
今のヴァイスビアの始まりは、1872年にシュナイダーが琥珀色のものを造り始めたこととされています。淡い色のヴァイスビアが人気になったのは1960年代以降で、今は特に南ドイツで親しまれていると紹介されています。
甘く感じるのは、
苦味が控えめだから。
BJCPは、バナナとクローブの香りを、ほどよく釣り合った中程度から強めのものとしています。そこにパンや生地のような小麦の風味が重なり、苦味はごく控えめ。後味は比較的ドライです。甘く感じられるとしたら、それは残った糖分より苦味の少なさによるものだと説明されています。
ただし、これはスタイルの一般的な傾向です。酵母や造り方、鮮度で香りの出方は変わります。「ヴァイツェンだから必ずバナナの香りがする」とは言えません。
酵母を混ぜるか、
澄ませるか。
BAは、このスタイルのビールは注ぐときに底の酵母を混ぜることが多く、酵母が入ると酵母の風味と厚みのある口当たりになるとしています。一方、ろ過して澄ませた「クリスタル」と呼ばれるタイプもあります。BJCPは、若く新鮮なうちに楽しむのがよく、あまり熟成には向かないとしています。
濃い色のデュンケルヴァイスビア(デュンケルヴァイツェン)は、ヴァイスビアの酵母と小麦の個性に、ミュンヘン・デュンケルのような麦芽の豊かさを合わせたものと説明されています。スタンプの中級カードにあるヘーフェヴァイツェンとデュンケルヴァイツェンは、どちらも入門カードの「ヴァイツェン」の仲間として数えます。
ヴァイツェン
注ぎ方と数字を、見てみる
次の一杯で、注目すると面白いこと。
BAの2026年版ガイドラインでは、南ドイツ・スタイルのヘーフェヴァイツェンのアルコール分を4.9〜5.6%、苦味の目安であるIBUを10〜15としています。BJCPのヴァイスビアは4.3〜5.6%、IBUは8〜15です。瓶や缶の底に酵母が沈んでいたら、混ぜて注いだときと澄んだ部分だけを注いだときで、香りや口当たりを比べてみてください。
BAのビアスタイル・ガイドラインを見る(英語・PDF) ↗