途絶えた白いビールを、
ひとりが復活させた。
小麦のビールをたどります。
スパイスが香る、
白く濁った小麦のビール。
BJCPの2021年版ガイドラインは、ウィットビアを「スパイスが酵母の個性を引き立てる、淡い色で濁ったベルギーの小麦のビール」と説明しています。炭酸が強く後味がドライで、ホップは控えめ。夏に爽やかな飲み物だとも書かれています。
同じガイドラインによると、原料は麦芽にしていない小麦が30〜60%で、残りは色の淡い大麦麦芽。オーツ麦を使うものもあります。伝統的にはコリアンダーシードと乾燥させたキュラソーオレンジの皮を使うそうです。BAのガイドラインは、1960年代以降、コリアンダーとオレンジピールを使って造られているとしています。
BJCPのウィットビアの説明を読む(英語) ↗途絶えた味を、
もう一度つくった人がいる。
1957年に途絶え、
1966年に復活。
BJCPによると、ウィットビアはベルギーのルーヴェン周辺にあった中世の白いビールのひとつで、1957年にいったん途絶えました。1966年、のちにヘーガールデンとなる醸造所で、ピエール・セリスがこれを復活させます。
ヘーガールデンがインターブルーに買収されたあと、このスタイルは急速に広がり、似た商品が数多く生まれました。BJCPは、今のウィットビアの多くは、何百年も前のビールではなくセリスが再現したものにつながっていると説明しています。表紙は、ヘーガールデンのホクセムにある水車小屋です。
はちみつのような麦芽と、
柑橘の香り。
BJCPは、パンのような麦芽の香りに、はちみつやバニラのような気配があることが多いとしています。そこに香水やレモンを思わせるコリアンダー、オレンジのような柑橘の果実味が加わり、苦味は低めから中程度より少し下。すっきりとドライで、苦い後味は残らないそうです。
甘く感じられるのは、残った糖分ではなく苦味の低さによることが多い、とも書かれています。ただし、これはスタイルの一般的な傾向です。スパイスの使い方は造り手によってさまざまで、「ベルジャンホワイトだから必ずこうなる」とは言えません。
香りは、
酵母より副原料から。
BJCPは、苦味の低さはヴァイスビアに似ているものの、スパイスと柑橘の個性は酵母よりも加えた副原料から来る、と比べています。昔のものには乳酸の酸味があった可能性があるものの、新鮮な今のものにはない、とも書かれています。
傷みやすいので、若く新鮮で適切に扱われたものが望ましいそうです。スタンプでは、スタイル欄の「ホワイトエール」「Witbier」「Belgian White」も入門カードの「ベルジャンホワイト」として数えます。
ベルジャンホワイト
香りと数字を、見てみる
次の一杯で、注目すると面白いこと。
BAの2026年版ガイドラインでは、ベルジャン・スタイル・ウィットビアのアルコール分を4.0〜5.5%、苦味の目安であるIBUを10〜17としています。BJCPは、多くは5%前後のようだと書いています。原材料の表示にコリアンダーやオレンジピールがあるか見てから、香りを確かめてみてください。
BAのビアスタイル・ガイドラインを見る(英語・PDF) ↗